退舎式

 3年生男女合わせて、17名の生徒が寄宿舎を旅立ちました。

 3年間は長いようで、あっという間の時間でした。

 ある男子生徒について紹介します。彼は入舎当初、環境の変化に戸惑い、寂しさから毎晩のように泣いていました。食事の量も言葉数も少なく、職員が話しかけてもなかなか返事ができない生徒でした。しかし、寄宿舎での生活を通して、少しずつ仲間や職員と打ち解け、学校生活にも積極的に取り組むようになりました。

 最後の年、彼は新入舎生の手助けをするほど成長していました。そして迎えた卒業の日。退舎する彼は、職員に深々とお辞儀をし、「ありがとうございました」とはっきりと大きな声で感謝を伝えていました。普段、言葉数の少なかった彼が、自分の気持ちをしっかりと伝えたことに、職員も涙ぐみ、彼の成長に胸がいっぱいになりました。

 寄宿舎での生活を通して、心も体も成長した17名の卒業生が、ここで学んだことを生かし、それぞれの道で、新たな人生をスタートさせます!